暖地型芝草の特長

世界の温帯から熱帯にかけて使用され、生育適温は25〜35℃である。日本では夏緑型とも言う。全てC4植物。一般に使用されているものは栄養繁殖系が多い。

スズメガヤ亜科の芝草は、比較的耐寒性があり、植栽可能地域が熱帯〜亜寒帯と広く、世界的にも多く使われている。キビ亜科は耐寒性が乏しいため、熱帯・亜熱帯を中心に使用される。日本では沖縄県で一部使用されている。

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バミューダグラス類 (ギョウギシバ属 Cynodon)

改良型バミューダグラス 「Tifway」 世界的には暖地で最も重要な芝草である。繁殖力が旺盛で、モアに付いた刈カスでも繁殖するので、管理作業において注意が必要である。栄養繁殖系統と種子繁殖系統があるが、種子繁殖の場合、発芽に高温が必要であり、日本ではターフになる前に夏が終わるので時間がかかる。

夏期の旺盛な繁殖力を活用して、ウィンターオーバーシードのベースとして利用される。

  1. バミューダグラスの品種
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シバ類 (シバ属 Zoysia)

日本芝と呼ばれているシバで、コウライシバ(コウシュンシバ)、ノシバ(シバ)の2種が代表的である。栄養繁殖(ソッド工法)で造成される。気温が15℃前後で休眠に入り、10℃以下になると地上部は枯死する。

ノシバは耐寒性が強く、最も頑強な性質を持つが、葉が広く、ターフとしては粗いので、ゴルフ場においてはラフを中心に使用されている。近年、アメリカで品種改良が進み、多くの品種が出ているが、栄養繁殖が中心のため、日本には現時点では限られた品種しか入っていない。催芽処理法の改良により、種子繁殖も安定してきたので、今後は増えると思われる。

ヒメコウライシバのテクスチャー コウライシバはノシバよりきめが細かく、美しいターフを作るので、スポーツターフとともに鑑賞用としても使用される。グリーンには葉の細いヒメコウライシバ系統が用いられる。現在のところ、我が国では栄養繁殖のみであるが、アメリカでは近年種子が発売された。


改良型ゾイシア「みやこ」のテクスチャー 改良型ゾイシアは、従来のゾイシアの欠点とされた繁殖力の点を中心に改良が行われたもので、今後も多くの新品種が出ることが予想され、利用する機会も多くなるものと思われる。

  1. シバ類の品種

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セントオーガスチングラス (イヌシバ属 Stenotaphrum)

セントオーガスチングラスは熱帯、亜熱帯地域では代表的な芝草であり、我が国では鹿児島県、宮崎県で生産され、沖縄、南西諸島で使用されている。

セントオーガスチングラスのテクスチャー 成長が早く、葉が横向きに伸びるため刈り込みの必要が少なく粗放管理に適し、日陰にも耐えるが、霜に弱いため暖地でも降霜地域では注意が必要である。茎が堅いため、激しい球技には危険であり、東南アジアではバミューダグラスに張り替えらるケースもある。また、ラージパッチにはシバ類以上に弱いとの指摘もあるが、日陰地を中心に今後使われることが多くなるであろう。

アメリカにはいくつかの品種があるが、現在のところ日本には導入されていない。

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寒地型芝草の特長

日本において冬季休眠する暖地型芝草に対して、常緑型芝草とも呼ばれる。常緑型芝草の使用によって、冬季の使用におけるすり切れ等や雑草の侵入も少なく、見た目にも美しいため需要は多いが、窒素や水の要求量も多く、暖地型が休眠する冬季の刈込み作業も必要でランニングコストは暖地型の2〜3倍となる。

C3植物で生育適温は15〜22℃であり、25℃を超えると光合成量より光呼吸量が多くなり、サマーデクライン (夏期衰退現象) を起こす。また、高温多湿時の罹病性も大きい。

日本では種子繁殖が大半であるが、栄養繁殖もゴルフ場の管理作業を中心に行われており、今後スポーツ・フィールドなどで増加すると思われる。種子繁殖は数種のミックスが通常で、単播においても2〜4品種の混合で行われる。

牧草として品種改良が進んできたが、近年は芝生用の品種も数多く作出されている。その中には、不稔性を持つものがあり、栄養繁殖系となっている。

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ベントグラス類 (コヌカグサ属 Agrostis)

芝草の中では最も美しく、繊細なターフを形成する。レッドトップ、コロニアル・ベントグラス、クリーピング・ベントグラス、ヴェルヴェット・グラスの4種がある。一般に浅根性のため、高温旱魃に弱く、暖地では夏枯れを生じることが多い。

クリーピング種「チバグリーンB−1」のテクスチャー クリーピング種は長いほふく茎を有し、種子繁殖するものが多く使われているが、改良のため不稔性を生じたものもあり、栄養繁殖品種もある。ゴルフ場のグリーンに用いられ、品種も最も多い。Penncrossが有名であるが、Seaside、Prominet、SR1020、Penneagleなど、多くの品種が使用されるようになってきた。近年、アメリカ暖地での育種品種がいくつか作出され、耐暑性の向上を期待されている。日本でも耐病性、耐暑性の向上を目標に、育種が行われているが、現在のところ栄養繁殖系が主である。

コロニアル種は種子繁殖で、短いほふく茎を生ずることもあるが、株状を呈するものがほとんどである。寒冷地において、フェアウェイ、ラフに用いられることもあるが、オーバーシード用にも使用される。

  1. ベントグラスの品種

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フェスク類 (ウシノケグサ属 Festuca)

寒地型芝草としてはかなり高温に強く、耐旱性も優れたものが多い。従来緑化工を中心に使用されてきたが、近年ターフタイプの優良品種が出てきて、スポーツターフの中心となりつつある種である。種数は多く広葉のフェスク (broad-leaved fescues) と細葉のフェスク (fine-leaved fesucue) の2種に大別され、トール・フェスク、メドウ・フェスクが前者、レッド・フェスク、ハード・フェスクなどが後者である。レッド・フェスクは、ほふく型と非ほふく型の2タイプあり、ほふく型はスポーツターフで使用されることもある。

トール・フェスクは暖地でもよく生育し、深根性のため耐旱性も強く、性質も強健である。従来より高速道路の法面緑化などで多く使われていたが、より繊細で低刈が出来る品種の出現により、使用される機会が多くなってきている。ゴルフ場ではフェアウェイ、ラフが中心であるが、サッカー、ラグビーなどのボール・ゲームはこの種が主体である。株密度が低下すると、叢状となりやすいので注意が必要である。

クリーピング・レッド・フェスクは、ほふく茎によって密なターフを作り、生長も早く強健である。法面保護用として使われてきたが、近年わい性品種が育成され、ミックス型の1種として、スポーツターフにも使用されるようになってきた。

ハード・フェスクはトール・フェスクより耐旱性が強く、粗放管理に耐えるが、葉が粗剛である。寒地型芝草の中では最も耐陰性に優れ、今後使われる機会が多くなると思われる。

  1. フェスク類の品種
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ブルーグラス類 (イチゴツナギ属 Poa)

ケンタッキー・ブルーグラスが中心的種であり、ベントグラスに次いでスポーツターフの中心的草種である。地下茎(ライゾーム)で繁殖するので栄養繁殖にも向くが、日本では生産量が少なく、種子繁殖が中心である。

低温に対する抵抗性は強いが、高温には弱く、水要求量も大きい。播種から発芽まで、またその後のターフ形成までに時間がかかるが、完成したターフは強い。ゴルフ場ではグリーンに用いられることはないが、グリーンのカラーや、バンカー回りなど、またフェアウェイ、ティーグランドに使用されることは多い。地下茎の繁殖力は強いので、エッジ切りが必要となる。

  1. ブルーグラス類の品種
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ライグラス類 (ゾクムギ属 Lolium)

株型で多年性のペレニアル種、1〜2年生のイタリアン (アニュアル) 種の2種がある。種子繁殖。両種ともオーバーシードの冬季用として用いられることが多い。生長が速く、刈り込みの必要性が増すのが、欠点でもあり、混播の場合の比率に注意が必要である。

ペレニアルライグラスのテクスチャー ペレニアル種は、近年最も多くの品種が作出された芝草で、再生力も強く、アメリカにおいてはスポーツターフの中心的存在でもある。種子の発芽が良好で、短期間にターフとなるため、短期造成やナースグラス(補修用芝)として用いられることも多い。混播されることもあるが、ペレニアル・ライグラスだけのブレンドも用いられる。ブルーグラス類の成長を疎外する物質を出すため、混播の場合留意する。またブルーグラスと同属のスズメノカタビラも抑制する。

イタリアン(アニュアル)種は耐暑性が弱く、1〜2年生という性質を活かし、オーバーシードにおけるウィンターグラスとして用いられることが多い。茎葉が柔らかいので耐踏圧性は低い。

  1. ライグラス類の品種

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